お知らせ

2023年2月16日

令和4年度
第63回 東レ科学技術賞
第63回 東レ科学技術研究助成
第54回 東レ理科教育賞     の決定について

公益財団法人東レ科学振興会(会長日覺昭廣)は、第63回東レ科学技術賞、東レ科学技術研究助成および第54回東レ理科教育賞を次のとおり決定しました。

贈呈式は3月15日、東京・丸の内の日本工業俱楽部で関係者のみで執り行います。

東レ科学技術賞は科学技術で優れた業績をあげた方の表彰、東レ科学技術研究助成は科学技術の基礎的、萌芽的研究を行っている若手研究者への資金援助で、募集は77学協会および当会の推薦人の推薦により行っています。東レ理科教育賞は公募で、創意と工夫によって著しい教育効果をあげた中学校・高等学校等の理科の先生を表彰しています。

第63回東レ科学技術賞 2件、賞状、金メダルおよび賞金500万円。

推薦者 研究業績 受賞者
日本生物物理学会 高速原子間力顕微鏡の開発とタンパク質研究への応用 金沢大学特別功績教授
金沢大学ナノ生命科学研究所特任教授
あんどう としお
安藤 敏夫
推薦人 動物行動を制御する神経回路の基本原理の解明 名古屋大学大学院理学研究科附属
ニューロサイエンス研究センター
もり いくえ
センター長・教授 森 郁恵

業績

安藤 敏夫 氏 タンパク質の働く仕組みの解明は基礎生命科学の中心課題である。氏は、高速の原子間力顕微鏡を開発し、個々のタンパク質の動きや他分子との相互作用を動画映像として捉えることに成功した。本業績は、タンパク質や核酸の分子レベルの生物物理学研究に不可欠な技術を提供するものとして、世界的に高く評価されている。
森 郁恵 氏 「動物が環境に反応した結果、どのような行動が現れるのか?」は、脳科学の重要課題である。氏は、線虫を用いて感覚入力から行動出力までの神経回路と情報処理の動作原理を明らかにし、神経回路活動の数理モデリングを構築した。本業績は、国際的に高く評価され、現在の脳科学研究の重要な基盤となっている。

第63回東レ科学技術研究助成 10件、研究助成金総額1億3,000万円。

推薦者 研究題目 代表研究者(年齢) 助成金額(円)
推薦人 自己抗原の包括的解明による自己免疫疾患治療基盤構築 京都大学医生物学研究所
いとう よしなが
教授 伊藤 能永(44)
20,000,000
日本材料学会 超臨界地熱発電に資する岩石亀裂中超臨界水の流れの解明 大阪大学大学院工学研究科
おがた しょう
助教 緒方 奨(30)
15,000,000
日本動物学会 植物ステロイドホルモンが昆虫行動に与える影響の分子機構解明 金沢大学理工研究域
きや たけとし
准教授 木矢 剛智(43)
10,000,000
日本生化学会 がんにおけるスーパーエンハンサーのリモデリング機構の解明 名古屋大学大学院医学系研究科
すずき ひろし
教授 鈴木 洋(43)
15,000,000
日本発生生物学会 細胞外材料クチクラによる生物の形づくり機構の解明 千葉大学大学院理学研究院
たじり れいこ
准教授 田尻 怜子(43)
10,000,000
日本物理学会 カイラル分子イオンを起点とした非反転対称電子輸送機能の開拓 東京工業大学理学院
たにぐち こうじ
教授 谷口 耕治(45)
10,000,000
有機合成化学協会 テトラクロロシランを原料とするケイ素化合物の合成法開発 産業技術総合研究所触媒化学融合研究センター
なかじま ゆみこ
研究チーム長 中島 裕美子(45)
15,000,000
推薦人 動的結合形成を基盤とする分子設計と機能創出 理化学研究所開拓研究本部
はしもと たくや
主任研究員 橋本 卓也(43)
12,000,000
推薦人 脳感覚野における情報分配機構の解明 理化学研究所脳神経科学研究センター
むらやま まさのり
チームリーダー 村山 正宜(45)
10,000,000
日本天文学会 近紫外線専用観測装置の開発による天文学の新展開 千葉工業大学惑星探査研究センター
もろくま ともき
主席研究員 諸隈 智貴(43)
13,000,000

(注)所属・役職・年齢は贈呈日(令和5年3月15日)現在で表示

第54回東レ理科教育賞

東レ理科教育賞文部科学大臣賞 1件、賞状、銀メダルおよび賞金100万円。

分野 題目 受賞者
高校クラブ活動 アルミ箔と界面活性剤を用いた美しい銅板の黄銅めっき法 大妻嵐山中学校・高等学校(埼玉県)
すずき たかひろ
教諭 鈴木 崇広

業績

鈴木 崇広 氏 アルミ箔と界面活性剤を用いた独自の方法により銅板に均一な亜鉛めっきを行い、さらに加熱することにより美しい黄銅メッキを作製することに成功した。この方法は安全性が高い優れためっきの実験であり、この教材を用いた教育実践が高く評価された。

東レ理科教育賞 2件、賞状、銀メダルおよび賞金70万円。

分野 題目 受賞者
中学その他 SDGsを目指したロボット開発によるSTEAM教育実践 岡山中学校・岡山高等学校(岡山県)
あさかわ まさゆき
教諭 朝川 真行
高校物理 遠隔操作可能なストロボ内蔵型弦の振動実験装置の開発 大谷中学校・高等学校(大阪府)
とよだ まさあき
教諭 豊田 將章

東レ理科教育賞佳作 4件、賞状および賞金20万円。

分野 題目 受賞者
中学その他 博物館を利用する理科学習ワークシートの開発 東京都文京区立第六中学校
かわしま のりこ
主任教諭 川島 紀子
高校物理 アナログで原理がわかる光通信実験の開発と教育実践 青森歯科医療専門学校
くどう たかまさ
非常勤講師 工藤 貴正
高校生物 シンテッポウユリを用いた花粉管観察実験 愛知県名古屋市立向陽高等学校
いとう まさお
教諭 伊藤 政夫
高校その他 熱電効果を可視化する装置の開発 福岡県立福岡工業高等学校 定時制
とみなが えいじ
講師 富永 英二

東レ理科教育賞奨励作 3件、賞状および賞金20万円。

分野 題目 受賞者
中学第2分野 寒冷・温暖前線と雪雲形成の可視化実験 青森山田学園 青森山田中学高等学校(青森県)
かたいし かずなり
講師 片石 一成
高校物理 微粒子制御用卓上ポールトラップ装置の開発 早稲田大学理工学術院
たなか かづお
研究院准教授 田中 香津生
高校化学 飽和蒸気圧・蒸気圧降下を体積変化で考察する実験 立命館慶祥中学校・高等学校(北海道)
すぎやま よしひで
教諭 杉山 剛英

第3回 (令和4年度) 東レ理科教育賞・企画賞 7件、賞状および賞金(総額1,191,700円)

題目 受賞者 賞金額(円)
スマートフォンから科学を学ぶ学習方法の効果 神戸国際大学附属高等学校非常勤講師
かわい のぶゆき
河合 信之
200,000
溶媒ケン化法を利用した化粧品・食品等の両親媒性の評価 愛媛県立松山南高等学校教諭
かん たくや
菅 琢哉
103,900
レンズ学習での光の道筋とその作図を連結させる教材開発 富山県黒部市立清明中学校教諭
しんむら ひろき
新村 宏樹
200,000
物理の興味・関心を高めるIH調理器を用いた授業の改良 京都府立園部高等学校教諭
たかはし こうたろう
髙橋 幸太郎
196,900
ニホンミツバチ養蜂教材を活用した理科学習指導の実践 福岡県春日市立春日北中学校主幹教諭
ながの たけと
永野 猛人
190,900
電子部品で作る分子模型(フラーレンとダイオキシン) 大阪産業大学デザイン工学部准教授
ほりこし りょう
堀越 亮
100,000
ペーパークラフト分子模型 千葉工業大学工学部教授
やまもと のりふみ
山本 典史
200,000