お知らせ

2022年2月15日

令和3年度
第62回 東レ科学技術賞
第62回 東レ科学技術研究助成
第53回 東レ理科教育賞     の決定について

公益財団法人東レ科学振興会(会長日覺昭廣)は、第62回東レ科学技術賞、東レ科学技術研究助成および第53回東レ理科教育賞を次のとおり決定しました。

なお、3月14日に予定していた贈呈式は、新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、延期します。

東レ科学技術賞は科学技術で優れた業績をあげた方の表彰、東レ科学技術研究助成は科学技術の基礎的、萌芽的研究を行っている若手研究者への資金援助で、募集は77学協会および当会の推薦人の推薦により行っています。東レ理科教育賞は公募で、創意と工夫によって著しい教育効果をあげた中学校・高等学校等の理科の先生を表彰しています。

第62回東レ科学技術賞 2件、賞状、金メダルおよび賞金500万円。

推薦者 研究業績 受賞者
推薦人 発生過程における遺伝子発現振動の意義 理化学研究所脳神経科学研究センター
かげやま りょういちろう
センター長 影山 龍一郎
資源・素材学会 レアメタルの環境調和型リサイクル技術の開発 東京大学生産技術研究所
おかべ とおる
所長・教授 岡部 徹

業績

影山 龍一郎 氏 生物の発生過程において転写因子の発現制御はきわめて重要である。氏は、種々の組織の発生過程において、遺伝子発現が周期的に振動することを発見し、その意義と分子機構を明らかにした。本業績は、発生学研究を先導し、組織再生のための技術基盤となることが期待されたことから、高く評価された。
岡部 徹 氏 氏は、リチウムイオン電池、電動車などの生産に不可欠なレアメタルの研究に取り組み、有害物を発生させずにレアメタルを分離抽出するリサイクル技術の発明を始めとする先駆的な業績を挙げた。世界規模でレアメタルの需要が増す中、同氏の業績の重要性は益々高まると期待される。

第62回東レ科学技術研究助成 11件、研究助成金総額1億3,000万円。

推薦者 研究題目 代表研究者(年齢) 助成金額(円)
日本生態学会
日本動物学会
季節性の進化を生む分子遺伝機構の解明 東京大学大学院新領域創成科学研究科
いしかわ あさの
准教授 石川 麻乃(38)
10,000,000
日本免疫学会 脂質代謝を基軸とした抗ウイルス応答メカニズムの解明 (公財)かずさDNA研究所
オミックス医科学研究室
えんどう ゆうすけ
室長 遠藤 裕介(40)
12,500,000
日本動物学会 社会性昆虫の表現型を制御する生理物質と行動基盤の解明 産業技術総合研究所
生物プロセス研究部門
ことう あきこ
主任研究員 古藤 日子(39)
10,000,000
日本植物学会 フォトトロピンの光応答反応における信号伝達メカニズムの解明 東京大学大学院総合文化研究科
すえつぐ のりゆき
准教授 末次 憲之(45)
12,000,000
触媒学会 1原子単位で精密設計されたナノ無機複合触媒の開発 東京大学大学院工学系研究科
すずき こうすけ
准教授 鈴木 康介(39)
10,000,000
日本生化学会 細胞膜リン脂質の移層と感知の仕組みの解明 東京医科歯科大学難治疾患研究所
せがわ かつもり
教授 瀬川 勝盛(42)
13,500,000
日本物理学会 スピン秩序から生じる対称性の破れの超高速制御 東京大学大学院工学系研究科
たかはし ようたろう
准教授 高橋 陽太郎(43)
15,000,000
有機合成化学協会 マルチメタル触媒による有機フッ化物の新規合成法の創出 京都大学大学院工学研究科
なかお よしあき
教授 中尾 佳亮(45)
10,000,000
日本神経科学学会 爬虫類を用いた睡眠ステージ切り替え機構の究明 北海道大学大学院医学研究院
のりもと ひろあき
准教授 乘本 裕明(34)
12,000,000
日本中性子科学会 中性子共鳴ラマン分光法の開発 高エネルギー加速器研究機構
物質構造科学研究所
ほんだ たかし
助教 本田 孝志(36)
10,000,000
日本神経科学学会 空間非対称神経接続の発達と破綻の分子細胞機構 情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所
よねはら けいすけ
教授 米原 圭祐(43)
15,000,000

(注)所属・役職・年齢は贈呈日(令和4年3月14日)現在で表示

第53回東レ理科教育賞

東レ理科教育賞文部科学大臣賞 1件、賞状、銀メダルおよび賞金100万円。

分野 題目 受賞者
高校化学 寒天ゲルを用いた高出力電池の開発と教育実践 長野県松本深志高等学校
にしまき たけや
教諭 西牧 岳哉

業績

西牧 岳哉 氏 薄い寒天ゲルシートを2種の金属板で挟んだ直方体形の高出力ダニエル電池を製作した。電極の入れ替えが容易で、定量実験や電池の仕組みや色々な金属の性質の学習に適しており、この教材を用いた教育実践が高く評価された。

東レ理科教育賞 2件、賞状、銀メダルおよび賞金70万円。

分野 題目 受賞者
高校物理 LCR回路のハウリング装置開発と教育実践 奈良女子大学附属中等教育学校
こめだ たかひさ
講師 米田 隆恒
高校生物 メセルソンとスタールの実験のモデル化 埼玉県立所沢高等学校
もりた やすひさ
教諭 森田 保久

東レ理科教育賞佳作 4件、賞状および賞金20万円。

分野 題目 受賞者
高校化学 光硬化樹脂を用いた共重合の理解を促す
実験教材の開発
大東文化大学スポーツ・健康科学部
うえだ みきお
准教授 植田 幹男
高校化学 10 mの逆さコップ・逆さビン 芝浦工業大学柏中学高等学校(千葉県)
やまもと きいち
講師 山本 喜一
高校地学 地震初動要素を理解する模擬実験装置の開発 西武学園文理中学・高等学校(埼玉県)
こばやし のりひこ
教諭 小林 則彦
その他 高等学校におけるAIを学ぶ教材の開発と
授業実践
愛知県立春日井工科高等学校
てらおか ひろき
再任用教諭 寺岡 広樹

東レ理科教育賞奨励作 3件、賞状および賞金20万円。

分野 題目 受賞者
中学第2分野 中学校生物実験における比色分析法の活用 筑波大学附属駒場中・高等学校
うちやま ちえこ
教諭 内山 智枝子
高校物理 ドップラー効果を確かめられる振動数測定ソフトの開発 神奈川県立小田原高等学校
いけじり なおふみ
教諭 池尻 直史
高校生物 高等学校で実施できる動物細胞遺伝子導入実験キット 山口大学大学院創成科学研究科
うつみ としひこ
教授 内海 俊彦

第2回 (令和3年度) 東レ理科教育賞・企画賞 8件、賞状および賞金(総額1,336,500円)

題目 受賞者 賞金額(円)
環境DNA分析を活用した探究的パフォーマンス課題の開発 広島県立広島高等学校
いずみ ひろし
教諭 和泉 裕志
161,500
ベクトルとしての力を視覚的に理解する教材開発 兵庫県神戸市立井吹台中学校
かわい のぶゆき
教諭 河合 信之
129,000
EdTechを活用した新たな理科教育法の研究と開発 大阪教育大学附属高等学校池田校舎
きむら なおひろ
教諭 木村 直広
200,000
計算問題を実習で体感できる教材の開発(化学編) 北海道網走市立第一中学校主幹
さとう だいし
教諭 佐藤 大志
140,000
ペニシリン抽出実験を導入したストーリー授業の開発 神奈川県立永谷高等学校
しが まさる
教諭 志賀 優
200,000
ベクトル量を空間に可視化する新しい物理教材の開発 山口県立徳山高等学校
すえたに たけし
教諭 末谷 健志
200,000
デンタルフィルムとWebカメラによる放射線の可視化 愛知教育大学附属名古屋中学校
なら だい
教諭 奈良 大
200,000
酸化バナジウム(V)を用いるフェノールの一段階合成 茨城県立土浦第一高等学校附属中学校
ますだ さとし
教諭 増田  智
106,000